災害救助犬の活性度(情動)を遠隔モニタリングする技術を開発~サイバースーツに搭載し、サイバー救助犬による被災者捜索活動を支援~

【ポイント】
●新たに開発したサイバースーツで計測する心電と運動の情報により、救助犬の活動中の活性度(快/不快の情動)を、その信頼度とともに推定することに成功しました(世界初)。
●タブレット端末などに表示することにより、災害救助活動中の犬の情動をリアルタイムに遠隔モニタリングすることが可能です。
●これまでは飼い主の感覚でしか判断出来なかった犬の快/不快の情動を、他者が客観的に判断できることで、情動が快の時に集中的に捜索を実施し、不快の時は休憩を取らせるなど、救助犬を効果的に運用することができます。

【研究内容】
内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジ(プログラム・マネージャー:田所 諭)の一環として、東北大学の大野 和則(おおの かずのり)准教授、濱田 龍之介(はまだ りゅうのすけ)助教、麻布大学の菊水 健史(きくすい たけふみ)教授、永澤 美保(ながさわ みほ)講師、奈良先端科学技術大学院大学の池田 和司(いけだ かずし)教授、久保 孝富(くぼ たかとみ)特任准教授、熊本大学の山川 俊貴(やまかわ としたか)助教、京都女子大学の丸野 由希(まるの ゆうき)講師らのグループは、「犬の情動をリアルタイム推定するサイバースーツ」(図)の開発に成功しました。

従来は困難であった、犬の活動中の心電計測が可能になると同時に、心電から得られる心拍変動指標(HRV)と慣性センサの情報を融合することで、運動中の快/不快の情動とそれが信頼できるかを判定し、タブレット端末などにリアルタイムに表示することが可能になりました。災害救助犬に装着することで、犬を適切なタイミングで休ませたり、集中できる状態で仕事をさせたりすることで、災害現場での被災者捜索を効率化し、信頼性を向上させると期待されます。

【詳細】 プレスリリース本文 (PDF 1.47MB)