新しい「壺型」ナノ炭素物質を開発(AIE社が注目すべき論文として紹介)

熊本大学大学院先端科学研究部の横井裕之准教授、畠山一翔博士、鯉沼陸央准教授、物質・材料研究機構の谷口貴章博士らの研究グループが、壺の形状をもつ新規のナノ炭素物質「カーボンナノポット」を開発しました。この物質には、従来のナノ炭素物質より数倍奥深い中空の微小な穴が開いていて、中に入り込んだ物質を徐々に放出するような特性が格段に優れていると考えられるため、ドラッグデリバリーシステムといった薬剤効果調節への応用が期待されます。また、部分的に親水性をもつことが示唆されていて、新しいナノ材料プロセスの開発につながる可能性があります。

本研究成果は、本年1月に米国材料学会ジャーナル誌 Journal of Materials Research にInvited Feature Paperとして掲載され、7月9日にはカナダの研究成果リサーチ会社Advances in Engineering(AIE)からKey Scientific Articleに選ばれて AIE社のWebサイト に掲載されました。
AIE社は、科学的に特に優れた信頼できる論文に脚光を当てて幅広い科学技術分野の読者にタイムリーに紹介している、カナダの研究成果リサーチ会社です。今回、横井准教授らの論文がAIE社のような海外の第三者機関から注目されたことは、新規に開発されたカーボンナノポットが実用的・応用的に大いに期待される物質であることを示しています。
本研究はJSPS科研費JP24510153の助成ならびにJST、CRESTの支援を受けたものです。

【論文名】
Novel pot-shaped carbon nanomaterial synthesized in a submarine-style substrate heating CVD method

【著者名】
Hiroyuki Yokoi, Kazuto Hatakeyama, Takaaki Taniguchi, Michio Koinuma, Masahiro Hara and Yasumichi Matsumoto

【雑誌名】Journal of Materials Research, vol.31, pp.117-126 (2016).

【熊本大学学術リポジトリ】 http://hdl.handle.net/2298/34681


【詳細】 プレスリリース本文 (PDF 302KB)

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