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近年の調査成果

2009年度の発掘調査成果

0923・0924・0925調査地点
本荘北地区「(医病)東病棟新営機械設備(衛生)工事に伴う埋蔵文化財発掘調査」

熊本大学埋蔵文化財調査室では、調査を行った年度と順番をもとに
調査地点に番号をつけて整理しています。
0923調査地点は、2009年度の23番目に実施した調査地点という意味です。

調査期間 2009年10月13日~2009年12月3日
調査面積 227.8平方メートル
主な時代 古代
主な遺物 土師器・須恵器・土師甕・高坏

特記事項 隣接する0104調査地点では多くの住居址・土器が見つかっています。
以下の地図内、薄いブルーで示した場所です。
0104調査地点の調査成果については「熊本大学構内遺跡発掘調査報告VI
を参照して下さい。
※熊本大学学術リポジトリにリンクし、デジタルデータを読むことができます。

調査地点の地図(熊本市本荘1丁目1-1、熊本大学医学部附属病院構内)

2009_0104syukusyou.jpg

上の地図は、熊本大学医学部附属病院の敷地全体を表しています。
今回の調査箇所は、左上の赤い枠で囲んだ中です。
拡大地図の中に見える、細長い赤色の帯状の部分が今回調査した箇所です。
この調査の目的は、新しく建てられた東病棟のインフラ整備工事の前に、大学の地下に残っている遺跡を調査・記録することでした。
調査した部分はいくつかの工区(工事を行う区間)に分けられていて、それぞれに番号があります。
この内、遺跡が検出された工区を以下で紹介します。

工区11 (0923)
住居と思われる遺構を検出、掘削すると、島状に残った硬化した床面と土師器坏と須恵器蓋が出土しました。
床面にはさらに2時期に分けられるピットが4個確認できましたが、工事を実施するために必要な掘削を超えており、現状で保存することにしました。


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島状の硬化面と土器
(7号住居址・西より撮影)
工区11完掘状況(西より撮影)

 
                 

工区9 (0925)
茶色の地山土上面を検出したところピット2つと住居址か溝のような遺構の広がりを検出しました。
撹乱との境を掘削して精査したところ、深さが約1.2mの溝であることが判明しました。
掘削した結果、底部で土師甕の破片と上部で高坏の脚部が出土しました。



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M3完掘状況(南西より撮影)

工区8 (0925)
遺跡は良い状態で保存されていました。
掘削の結果、古代の住居址1基とピット4個を検出しました。
住居址はその位置からみて、2008年度に調査した0835調査地点I区の住居址の続きと考えられます。



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工区8掘削状況(西より撮影)

 

工区10 (0925)
文化財遺存の可能性は低いと予想されましたが、実際は既設管の下に
掘削されてはいたものの遺構面が残っていました。
精査したところ、ピットが8個検出されました。出土遺物は土師器片・須恵器片です。
 

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工区10全景(南より撮影)

2007年度の発掘調査成果

1.0707調査地点(本荘北地区)「医学部図書講義棟新営工事に伴う埋蔵文化財発掘調査」
調査期間 2007.7.30~2007.9.3
調査面積 1,590
平方メートル
主な時代 縄文・古代
主な遺物 縄文時代石器・縄文土器・土師器・須恵器・古代鉄器

0707調査地点では、旧建物で半分は破壊されていましたが、それ以外のところでは良好な遺構の残存状況を確認しました。検出した遺構は、古墳時代の竪穴住居址1基、古代(7世紀末~8世紀後半)の竪穴住居址6基、掘立柱建物1基、古代水田(9世紀後半~12世紀)20面などがあります。水田は南側へかけて傾斜する斜面に形成されたもので、2×2mという非常に狭い区画で、斜面を効率的に利用した小区画水田です。

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古代の住居址群     斜面部で発見された水田址

2.0712調査地点(本荘北地区)「東病棟新営工事に伴う埋蔵文化財発掘調査」 
調査期間 2007.8.27~2007.10.25
調査面積 589.29
平方メートル 
主な時代 縄文・古墳・古代・近世
主な遺物 縄文土器・土師器・須恵器・石器・古代鉄器・銅製
帯・碁石・馬骨・宋銭
0712調査地点では、古墳時代前期の溝1本、古墳時代後期の溝1条、古代の溝2条、近世の溝1条、古墳時代前期(3世紀後半~4世紀後半)の竪穴住居址8基、古墳時代後期(5世紀後半~6世紀)の住居1基、古代(7世紀末~8世紀後半)の竪穴住居址8、その他ピット等が検出されました。縄文土器は、磨消縄文土器、黒色磨研土器、刻目突帯文土器が出土したことから、近くに後期後半から晩期後半頃の縄文集落の存在が示唆されます。また、古代の竪穴住居からは、銅製銙帯や「寺」と刻書された土器などが出土しており、官人層の存在が窺えます。

 

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「寺」銘ヘラ書き土器 銅製のベルト飾り(銙帯)


3.0719調査地点(京町地区)「教育学部附属小中学校校舎等改修工事に伴う埋蔵文化財発掘調査」
調査期間 2007.10.26~2007.11.28
調査面積 230.3
平方メートル
主な時代 弥生・古代
主な遺構・遺物 近世古代竪穴住居址・弥生時代ピット・古代ピット・近世溝・弥生土器・土師器・須恵器・打製石鏃

0719調査地点では、弥生時代・古代のピット、古代の竪穴住居址3基、近世の溝1条が検出されました。附属小中学校敷地内での古代の竪穴住居の検出は初めてのことです。以前の調査では、布目瓦等の遺物が出土し、公的な施設に伴う古代集落が存在することが示されました。

 

 

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竪穴住居址


4.0721調査地点(京町地区)校舎等機械設備改修に伴う埋蔵文化財発掘調査
調査期間 2007.12.14~2007.12.27
調査面積 112.65
平方メートル 
主な時代 弥生・古代・近世・近代   
主な遺構・遺物 弥生時代竪穴住居・ピット・近代土坑・弥生土器・土師器・須恵器・近世,近代陶磁器

0721調査地点では、狭小かつ離れた複数地点での調査の中、部分的ですが弥生時代の竪穴住居址が2基検出されました。それぞれ30mほど離れた地点での検出で、広範囲に弥生時代の集落が広がっている可能性が示されます。近世の陶磁器は肥前、薩摩、天草などで作られたものが出土しました。吹き墨技法やこんにゃく印判など珍しい技法を使った品物もあり、旧藩家老沢村家の活動の様子が窺えます。そのほか熊本師範学校時代の茶碗などが大量に出土しました。

 

 

 

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近代食器の出土状況 弥生住居の硬化面


 

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096-342-3832
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