現在位置: ホーム 研究 研究室探訪 山田裕史研究室(大学院先端科学研究部)

山田裕史研究室(大学院先端科学研究部)

Lab’s data【山田研究室データ】

  • 研究テーマ
    表現論
  • メンバー
    理学部理学科数学コース4年3人
    大学院自然科学研究科博士前期課程1年1人

寝食を忘れて数学に没頭する。
そんな経験を自信とプライドに

(ぐん)の元(げん)を行列として表す表現論

 山田裕史教授の研究テーマは表現論です。「数学には、大きく分けると、代数学、幾何学、解析学という3つの分野があります。代数学は、足す、引く、掛ける、割るという四則演算を抽象化して、『群』や『環(かん)』というような集合を考えます。たとえば、リンゴ、ミカン、バナナが並んでいて、それを置き換えるという操作を一つの集合の『元』(要素)とし、その置き換えという操作が成す群を考えます。あるいは、数が並ぶ行列では、行列の掛け算で群を成します。置き換えの場合は、4つを置き換えても、置き換えの全体は24通り。2つなら2通りしかありません。一方で、上に2つの数字、下に2つの数字が正方形に並ぶ行列においては、数は無限にあるので、行列の全体は無限集合ということになります。ところが、行列の掛け算に着目すれば、2個や24個の元からなる群と行列の成す群の構造においては大差がありません。集合論としては有限個か無限個かは大きな違いですが、代数的に見れば構造は同じようなものであり、群という概念でまとめられます。その群の元、つまり一つひとつを置き換えるという操作を行列として表すことを表現と呼びます」。さらにいうと、群の元を、ある空間からそれ自身の写像として表す、または変換として表すことが表現論であると話してくれました。

知られている証明も、自分で見つけ出すことに喜びを感じて

   表現論は、数学の分野というよりは方法論だと山田教授。「群というのは代数のオブジェクトであり、群を元の行列として表現することによって群そのものを研究するなら代数学だし、代数を使って図形を考えるのなら幾何学、関数を考えるなら解析学というわけです」。
 「数学では、たとえば先ほど話した置き換えという素朴な操作が、微分方程式という結構高度なものに大きく関与していることが見えることがあるんです。自分の今までのキャリアの中でも2、3回しかない経験ですが、それこそが数学の醍醐味だと思います」。
 数学の分野によっては相当の予備知識が必要なものもありますが、「私がやっている数学はそれほどの知識を必要とするわけではありません。むしろ、こんなことがあるんだという感動を得るには、何も知らないほうがいいかもしれません」。たとえ知られていることでも、自分で実験を通して証明を見つけ出すことに数学の喜びを感じてほしいと言います。ここで言う実験とは「思考実験」であり、コンピューターなら数秒かからずに結果が出ることも、あえてノートと鉛筆を用いて一日、一週間かけて手計算でやるような「実験」こそに、数学をやる楽しみがあると山田教授。「社会にでて直接役に立つことではないのですが、一生に一度でも、寝食を忘れて数学に取り組んだという自信やプライドを、大切にしてほしいと思います」。

Interview

大学院自然科学研究科
博士前期課程1年
西山 雄太さん(左)
理学部理学科
数学コース4年
井ノ口 鴻志さん(中)
理学部理学科
数学コース4年
安部 知さん(右)
 表現が好きだったことと、学生と気さくに接してくださる山田先生の人柄にひかれて、この研究室に入りました。大学の数学は、論理をたどり答えを出すことに重きを置きます。うまく証明できた時は頭がスッキリするし、論理を展開して導くことは楽しいです。数学をやっていると、見た目がまったく違っても、よくよく見てみれば本質は同じ、ということを見極める力が付きます。それはいろいろな場面に応用できる力なのではないでしょうか。   高校時代は、数学が得意というよりは数学好き。だから、人一倍努力して点数を取りました。大学でもわからないことは多いですが、先生や先輩に聞き、友だちと教えあえる環境があるので大丈夫。数学が好きならがんばれる、ということもあります。みんなで話し合い、何時間、何日もかけて一問が解けた時は爽快です。また、一問に対し何日もかけるような粘り強さは、将来にも生かされると思います。  山田先生は、メインの数学に加え、たとえば数学で使う言葉の読み方の、今と昔の違いなど、ちょっとした数学的教養ともいえるような知識をたくさん与えてくださいます。証明されていることも、一行目から二行目に行く行間が理解できない時があります。それは、感覚的につかんでいないことが理由。なぜ時間がかかるのかを、山田先生がわかってくださっているのもありがたいと思っています。

密着!山田研究室

学内外の教員が集まり、勉強会をすることも。昨年の講演の様子
平成29年2月の「卒論発表会」の打ち上げの様子

(熊大通信66号 (2017 Autumn)10月発行)

 

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