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矢野隆研究室(大学院自然科学研究科)

研究室探訪

矢野隆研究室
【大学院自然科学研究科】環境共生工学専攻 人間環境計画学講座

Lab’s data【矢野研究室データ】

  • 研究テーマ
    1.ベトナムでの交通騒音に関する社会調査と国際比較
    2.九州新幹線騒音に関する社会調査
    3.風力発電施設周辺の居住環境調査
    4.アジアの社会音響データアーカイブの構築
    5.リサイクルゴムを使った吸音材料の開発
    6.熊本県産木材を使った吸音・遮音材料の開発
    ゴム製品メーカーと共同研究したゴム製床材。
    ゴムの粒子を数ミリ単位でブロック状に固めた
    多孔質な構造により吸音。
  • メンバー
    矢野隆教授、グエン・ツ・ラン学術研究員、大学院生5人、学部4年生3人
  • OB・OGの進路
    大成建設株式会社、三井住友建設株式会社、旭化成株式会社、積水ハウス株式会社、大和ハウス工業株式会社、株式会社 LIXIL、国土交通省、防衛省、熊本県庁、熊本市役所 ほか

ローカルからグローバルへ 騒音制御の研究で世界に貢献!

 建築の上で重要な要素である「音環境」。その中でも「騒音制御」について研究を行うのが、矢野隆研究室です。ここでは「九州新幹線開通前後の沿線の騒音調査」、「国内外の騒音に関するデータベースづくり」など、さまざまなテーマに取り組んでいます。
 2005年から継続的に取り組んでいるのが「ベトナムの騒音調査」です。学生たちは現地の大学や関係機関の協力を得ながら現地調査を実施。バイクのホーン音などを「騒音計」で計測するとともに、住民へのアンケート調査も行っています。「騒音問題は先進国よりも途上国の方が深刻。調査結果を国の騒音政策に生かしてもらったり、国際的な議論の場へと提起したりしたいですね」と矢野教授は語ります。
 また、メーカーとの共同研究で吸音機能に優れたゴム製床材を開発。従来、吸音材として天井や壁に使われているガラス繊維(グラスウール)と比較すると、ゴムは強度があり、音の反響も抑えられることに注目したもので、商品化もされています。

 国際学会にメンバーの多くが参加する矢野研究室。「問題を見いだし試行錯誤しながら解をつかんでいく力や、英語でのプレゼンテーション能力が身に付くほか、世界的な研究者との出会いなど、国際学会は自分を磨く素晴らしい機会。どんどんチャレンジしてほしい」。 
 研究室のモットーは“ローカルからグローバルへ”。例えば「風力発電施設近郊の騒音調査」などはエネルギー施策の将来に関わり、世界からも注目を集めています。「音環境というと建物の中の閉ざされた空間を扱うローカルなイメージがありますが、実は国際貢献や世界的プロジェクトに関わるグローバルな研究。学びを通じて、世界的な視野を身に付けてほしいですね」と矢野教授は学生たちに期待を寄せます。

Interview:

国や文化によって感じ方が違う“うるささ”の基準は面白い!

自然科学研究科建築学専攻 博士前期課程2年
下山 晃司さん

 私がこの研究室に入ったのは、矢野先生の建築音響の講義
を受けたことがきっかけです。音の大きさの数値は同じでも、例えばピアノの音と電車の走行音など、種類によって感じ方が違うというお話を聞き、音の“うるささ”には測定値という数値的なものだけでは測れない、感覚的なものが関わってくるところが面白いと感じたのです。
 私の研究テーマは「ベトナムの道路交通騒音」。バイクのクラクションがあいさつ代わりというお国柄で、騒音は相当なものです。それを物理的に「騒音計」で測り数値化するとともに、住民アンケートによって“どう感じているか”という主観も加味していきます。“うるささ”の感じ方には社会的背景が影響しており、国や文化によって同じ数値でも感じ方が違うため、双方を併せて調査することが必要なのです。
 4月からは建設会社で働く予定です。どんな設計にも建築音響で学んだことが生かせると思います。また、この研究室は英語や海外に触れる機会が多く、その点でも貴重な経験をさせてもらったと思っています。

密着!矢野研究室

“音”を通して“ 世界”を見つめる。グローバルな視点で研究に取り組む矢野研究室におじゃましました。

  • 14:30

    この日は黒髪南キャンパスの国指定重要文化財「工学部研究資料館」内にマイクやスピーカーを設置し、音響測定を行った。
     
  • 14:40

    レンガ造りの重厚な建物では時折コンサートも開催されているが、本格的に音の響き方を測定するのは初めて。
     
  • 15:05

    周波数ごとに残響時間(音の響き具合)を測定。「工学部研究資料館」の残響時間は約1.6秒でコンサートに最適。
     
  • Sep.7

    ベトナム・ハノイでの現地調査では、ノイバイ空港周辺の住宅屋
    上で1週間の航空機騒音測定を行った。

(熊大通信55号(2015WINTER)1月1日発行)

 

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