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倉田賀世研究室(法学部)

研究室探訪
社会に埋もれがちな“小さな声”に耳を傾けながら真の社会保障制度のあり方を探る

倉田賀世研究室
【法学部】社会保障法

Lab’s data【倉田研究室データ】

  • 倉田賀世教授研究テーマ
    ドイツの家族政策
    我が国において重要な政策課題となっている子育て支援政策について、「家族が担っている育児の働きを法政策の中でどのように位置づけ評価すべきか」先進的な取り組みを行っているドイツに着目した比較法研究の著書も出版。「子育て支援の理念と方法-ドイツ法からの視点-」(北海道大学図書刊行会2008年)、「第20回尾中郁夫・家族法学術奨励賞」受賞
  • メンバー
    倉田賀世准教授、学部3年16人・4年18人
  • OB・OGの進路
    熊本県庁、大分県庁、佐賀県庁、熊本市役所、佐世保市役所、下関市役所、九州厚生局、九州財務局、福岡入国管理局、ホテル日航熊本、りそな銀行、株式会社ジャパネットホールディングス、鹿児島商工会議所 ほか

社会に埋もれがちな“小さな声”に耳を傾けながら真の社会保障制度のあり方を探る

 年金保険・社会福祉・公的扶助・医療保険・公衆衛生など、私たちの暮らしを守るセーフティーネットの役割を果たす社会保障制度。倉田賀世研究室では、その権利や義務を定めた社会保障法について研究を行っています。「日本では、生活のさまざまな場面で起きるリスクを未だに“個人の問題”として捉える風潮が強い」と語る倉田准教授。「例えば、保育所の待機児童の問題などもあり、働きたくても働けない女性も多い。それは個人で解決できる問題ではなく、社会全体で取り組むべき問題です。社会保障制度は、このような問題を皆で助け合い解決することで、暮らしやすい社会を実現するための制度です。学生たちには、現代社会の多様な問題に触れ、多角的な視点で物事を見る力を養ってほしいですね」。

 倉田研究室では34人の学生たちが、労災保険や生活保護などをテーマに、さまざまな判例をひも解きながら研究を続けています。例えば本当に生活保護が必要な人が申請を受理されなかったりする一方で、不正受給などの判例もあり、学生たちは「真の社会保障とは何か」という問題に向き合わなければなりません。
また、まだ若く、社会的なリスクに直面したことのない学生たちが、さまざまな立場に置かれている人たちと触れ合う機会を、設けるために、社会福祉施設などを訪ね、支援活動なども行ってきました。倉田准教授は、「学外で社会的弱者の現実を知り、触れ合ってその生の声を聞くことが大切。現実から、学生たちが学ぶことは大きいものです。彼らはまた、社会保障制度の将来の担い手でもあるので、社会保障制度の在り方について、しっかりと体感して、その実現を目指してほしいですね」と語ります。

Interview

誰かの「困った」を解決する それが法学を学ぶ魅力です

法学部法学コース4年 平野 達也 さん法学部法学コース4年 平野 達也 さん

 検察官になりたくて、法曹の道へ進もうと思っていた時期もありましたが、現在は公務員を目指しています。ゼミで福祉施設などへ行く機会もあり、いろんな方と話したり、ボランティアなどにも参加するなど、実際に今生活に困っている人がいることを実感できたことは、大変意義深い経験でした。
 また研究を通じて、行政と裁判所、一般市民には、それぞれの立場と思いがあり、どちらにも考慮しながら対処していく必要があることを痛感しました。市民と同じ目線に立ち、小さな問題にも真摯に向き合って一緒に解決していけるような公務員を目指したいと思っています。
 法学を学ぶということは、社会に出てからいろいろな場面で、学んだ知識を守ることができる上に周囲の人々も守ることができる。それが法学を学ぶ一番の理由ですね。

密着!倉田研究室

2012年12月、学外研究の一環として熊本労働局労働基準監督署を訪れた倉田研究室。労災補償にまつわる現場の声を聞きました。

  • 15:00

    村上秀三労災補償課長より、労災の基本的な考え方や労働基準監督署の役割、労災保険法についてお話いただき、座学を学ぶ。
  • 15:30

    保険の加入や給付、保険料の納付などを行う労災第1課・第2課の事務室を見学。それぞれの業務について話を聞いた。
  • 16:00

    労災保険の支給に関する実務を見学。申請書をパソコンに取り込み、本省とデータを共有するなど、効率的な業務が行われていた。
  • 17:00

    見学後には、労災認定にまつわる現状を聞く。認定に際し、事故現場へ足を運ぶなど、現場に熱意に一同感動。学生から質問も飛び交った。

(熊大通信47号(2013 WINTER)1月1日発行)

 

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