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田中朋弘研究室(文学部)

研究室探訪
論理学を通して冷静な頭脳と、温かい心を育てる
研究室は、院生も含め10人で構成。
学生たちとのコミュニケーションを大切にしたアットホームな雰囲気

田中朋弘研究室
【文学部】総合人間学科

田中朋弘研究室では、道徳規範を理論的に分析する「規範倫理学」から、生命や環境、ビジネス、情報など、現代のさまざまな事象を倫理学的に思考する「応用倫理学」まで、幅広い研究を行っています。

さまざまな現代の課題に倫理学で切り込む!

書棚にはカント全集が数種類並ぶ。時代が変わっても「大切な本はカント!」とメンバーは声をそろえる

 尊厳死や、臓器移植など、さまざまな価値観がぶつかり合う現代社会。それぞれの課題に対し、倫理学を応用し、現場にいる人の手助けとなるような倫理的思考を提示する学問が「応用倫理学」です。「例えば、臓器移植に関していえば、人間の尊厳という価値観と、助かる命ならば、助けたいという価値観がぶつかり合っています。規範倫理学を応用して、課題の本質を突き詰め、現代社会に生かそうというのが応用倫理学の考え方です」。また、応用倫理学の中でも、特に現代社会の実践的な問題に向き合う「ビジネス倫理学」についての講義に重点を置く田中教授。卒業後、多くの学生がビジネス活動と関わりを持つことから、働くことの意味や、古代ギリシア以来の労働観、現代社会の消費主義と労働の関係などについて、自由にディスカッションを重ねています。

物事を客観的・論理的に判断し、表現する力を身に付ける

研究室では、それぞれが選んだテーマに対して、ディスカッションを繰り広げる。先輩が掲げたテーマを軸に、下級生たちが疑問などを投げ掛け、検証していく

 「倫理学を学ぶことで、客観的・論理的思考を身に付けるとともに、その思考を言葉や文章で適切に表現する力を磨いてほしい」と語る田中教授。倫理学は論証を重要視する学問。
結論の根拠となる材料を過不足なくそろえ、段取りよく説明し、結論を述べるという段階を踏んだ論理的思考が要求されます。また“書く”という行為では“文献を読み取る”“思考する”“文章で表現する”という複合的な力が試されます。4年生の塚本彩さんはかねてより興味があった「幸福とは何か」を卒論で執り上げました。「哲学者・ノージックの『経験機械※1』という思考実験※2をテーマに、この機械につながれて快楽や満足を得ることが、倫理的に許容できるのか、その妥当性についてまとめました。何度も何度も先生に訂正していただき、仕上げることができました」と語ります。

「少しだけおせっかいになろう!」

 テストや論文発表が終了した日には、鍋パーティーを開くのが恒例の田中研究室。「個人主義の時代ですが、“少しだけおせっかいになろう!”が僕のモットー。“ちょっと困っているかな?”と思う学生に声を掛けたり、息抜きの場をつくってあげることは、大切だと思っています。学生たちには、冷静な頭脳と温かい心を持つ人間になってほしいですね」と微笑みます。

 
無類のカメラ好きの田中教授。研究室のみんなを撮影するのもコミュニケーションの一つ   研究室で行われる鍋パーティーは、学生の楽しみの一つ。田中教授が学生時代から使っている鍋は、今も現役
※1 経験機械・・・自分が望むどんな軽験でも仮想的に軽験できる機械のこと。これにつながれたら、ずっと幸福であり読けることも可能
※2 思考実験・・・実際に器具などを用いた実験ではなく、思考のみによって、仮想的現象を検証すること

(熊大通信44号(2012 SPRING)4月1日発行)

 

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