Vol.1 ロボットとともに世界を目指す第一歩

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「KUMADAI NOW」では「熊本大学からくりサークルの
活動を随時レポートし、彼らの熱い思いと大会出場に懸けた日々をご紹介します。

ロボットとともに世界を目指す第一歩 今まさに第1次書類審査中!

昨年の悔しさを胸にリベンジ!

1116robocon_i01.jpg 工学部情報電気電子工学科2年・迫田一輝さん率いる「熊本大学からくりサークル」の中でも、ロボットづくりに取り組んでいるのが通称“ロボコン部”。工学 部マテリアル工学科2年・松本翼さんをリーダーに、約20人のメンバーが、毎日遅くまでロボットの試作に没頭しています。

「NHK大学ロボコン」とは、アジア・太平洋地域の各大学チームによるロボットの競技会「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」に出場する日本代表の 選考会です。昨年も出場し第1次書類審査を通過したものの、第1次ビデオ審査で惜しくも敗退。その悔しさを胸に、約1年もの時間を費やして来年の大会出場 に向けて走り続けてきました。そして現在、第1次書類審査を受けています。

迫田さんは「昨年は大きく厚みのある部材で製作したため、ロボットの重量が増えてしまったんです。だから動作が遅く、他校のロボットと比べると勝負になら ないと思ったほどでした」と、敗因を分析。そのときに見た他校のロボットを参考に取り入れながら、重量増加を抑え、さらなる戦略で大会出場を狙います。

3台のロボットで目指す「平安大吉」

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2012年の大会のテーマは、開催地・香港の平和と繁栄を願うお祭りにちなんだ「平安大吉(ペンオンダイガ)」。饅頭タワーに置いてある三つの饅頭を3台のロボットで集める早さを競います。

規定のロボットは、手動ロボット1台と自動ロボット2台。手動ロボットにはオペーレーターが乗り込んで操作することが規定されています。「人間が搭乗する 手動ロボットの製作は、これまでに経験がないのでまさに試行錯誤。これからが勝負ですね」と、その手に力が入る松本リーダー。

一方、自動ロボットはフィールド上に引かれた線をトレースしながら進み、饅頭を入れるかごを移動したり、饅頭を取る役割のコレクターロボットを運んだり と、多様な動きを必要とします。手動ロボットは、繊細な動作をこなしながら、自動ロボットをサポート。3台のロボットが、相互に協力しながら目指す「平安 大吉」。たった3分の制限時間が勝負です。

動作を減らすことが勝利のカギ

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柱となる戦略は「動作を減らすことでタイムの向上を図る」こと。3分間という短い試合の中では、一つ一つの動作が勝敗を分けるカギとなります。「自動ロ ボットは自ら動いて確実な動作をしなければならない。だからこそ、その動きをコントロールすることで、タイムを短くできるのではないかと思っています」と 迫田さん。

どのように動作を減らしていくか?―。その作戦こそ、リベンジに向けた最大の武器に違いありません。「コレクターロボットには、四つの車輪の向きを同時に 変える機構を採用し、方向転換に要する時間を減らしたり、手動ロボットを小型化して走行時間を減らすなど、タイムの向上を実現しようと考えています。動作 が減るということは、操作ミスや機体トラブルなどのリスクも減るということにもつながるんです。また、大会を勝ち進むうちに壊れて本来の性能を出せないと いうことがないように、設計時から気を付けて、納得のいくまで練習を繰り返すことにしています」。

現在行われている第1次書類選考を通過したら、平成24年1月下旬の第1次ビデオ審査、4月上旬の第2次ビデオ審査、そして予選と続く大会までの長い道のり。昨年の雪辱を果たすべく、彼らの挑戦は続きます。

(2011年11月16日掲載)

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