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WEBマガジン「KUMADAI NOW」熊本から全国へ!EVバスで地方創生目指して

地域貢献を目指すセカンドキャリア

健児くん(以下:◆):先生は長く自動車業界で研究開発をなさってきたとうかがいました。なぜ熊本大学へ?
松田:日産自動車に30年務め、電子制御を専門に、アンチロックブレーキや、世界初のモーターアシスト式四輪駆動システム(e-4WD)、新型電気自動車などの研究開発を担当し手応えのある日々でしたが、地域に還元できるような仕事をしたいという思いが募り、退職。2年前に熊大に来て、電気自動車研究とプロダクトデザイン教育を専門に、研究活動と教育活動をスタートしました。企業に比べて大学の研究室は、時間がゆっくりと流れていると感じられるくらい落ち着いた良い環境にありますね。グローバル企業で培った最先端の技術と経験を使ってたくさんのエンジニアを育成し、地元企業と連携して新しいことにチャレンジしながら地域にも貢献してゆきたいと思っています。
◆:自動車業界といえば花形企業であり、さらに研究開発部門はその中核を担う部署ですね。辞めるときに迷いはありませんでしたか?
松田:自分の手で設計したり、チューニングした車が注目されると、うれしいし、やりがいはありましたが、市場が変化し、自動車に求められるものも変わってきました。2人に1台車を所有する時代、代替需要が主流になって、低燃費や合理的な空間が求められるようになっています。そういった背景の中で、電気自動車の可能性を探る研究はとても魅力的ですし、エンジニアとしてのセカンドキャリアの選択に迷いはありませんでしたね。
 

熊本でEVバス事業化を目指す

◆: いよいよ自動車も電気で動く時代の到来!先生は、小型モビリティー(*)の研究もなさっていますね。
松田:小型モビリティーは、老若男女の多様なニーズに応え、シニアカーやベビーカーまで応用できるんです。子育て中のお母さんや地域のおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしが、便利になるような製品を開発したいですね。
◆:バッテリー電池で走るEVバスも走行実験がスタートしました。
松田:地方の公共交通を支えるバスは、平均車齢18~20年という古いものが多く、排気ガスがひどい。それが地方のバスの現状です。そこでエンジンを外して、バッテリーを載せてEVに改造し、安価なEVバスを走らせようと、実用化に向けて研究を進めています。熊本にはレントゲン検診車などを作っている全国でもトップレベルの事業所があり、その協力を受けて本格的に始動しました。
 現在は試験走行でさまざまなデータを蓄積しながら、4月以降は大きさが異なるバスを数種作り、本格的な実験に取り組むところです。新しい産業が生まれたら、地方創生にも役立ちますから、次世代のビジネスを視野に入れながら、まずは熊本での事業化を目指しています。現在量産されている既存のバッテリーを組み上げて、EVバス用に作れないかが、テーマの一つですね。
 また、熊本は農業県ですが、農業機械などハード面での整備が遅れてるのが現状です。そこで合志市と連携し、農家のご協力を得てスイカ運搬機の電動化に取り組んでおり、4月には試作がスタート。実験のデータをフィードバックし、分析・改良、評価しながら実用化へ進んでいきたいと考えています。

*小型モビリティー……自動車よりも小型で小回りが利き、環境性能に優れた車両。地域の手軽な移動の手段として注目されている
 

元企業戦士として学生たちに伝えたい

◆:熊本から全国へ、電気自動車の技術を発信できたら、みんながもっと暮らしやすくなる!だから先生は楽しそうに研究なさってるんですね。
松田:大学の研究は楽しいですよ。熊大には「革新ものづくりセンター」があり、ものづくり教育が盛んで、韓国の学生たちを招く「日韓合同デザインキャンプ」なども開催され、国際連携で一つのものを作り上げる取り組みもあり、びっくりしたほどです。そのほかにも「工学部プロジェクトX」という取り組みでは、企業家やプロジェクトリーダーなど各界で活躍するプロフェッショナルを招いた講演会などもあり、学生でなくとも刺激を受けますね。
 学生には課題を探して解決策を想定し、コンセプトを立てて企画にするまで、全てやらせるようにしています。あまり口を出さないようにしていますが、学生はおもしろいですよ。女性ならではの発想で電動ベビーカーを企画するなど、地域で有用なモビリティーとは何かを考えるにしても視点が新しいですね。
 研究室以外では、教養教育で学部2年の学生たちに、暮らしと科学技術をテーマに講義を行っています。日本のものづくりの歴史や企業とは何なのか、社会人としての心構えなどの基本的なことはもちろん、モチベーションやコンピテンシー(成果に直結する行動能力)の大切さなど、社会に出て役立つ知識やビジネスのノウハウを元企業人だからこそ、伝えていきたいですね。
◆:学生時代から企業人としてのハウツーを学べるなんて、うらやましいです。僕もぜひ講義に参加させてください!ありがとうございました。
 
(2015年3月29日掲載)
 
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