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WEBマガジン「KUMADAI NOW」地球規模の壮大なる植物の研究

アリとの共生があるムラサキシキブの仲間…やはり段階を踏んで進化していた!

健児くん(以下:◆):まずは、先生のご研究内容を教えてください。
副島:私が研究しているのは「植物系統分類学」です。植物が地球上にどう分布しているのか、また、地域によって異なる構成なのは、歴史的にどうできてきたのかを研究しています。そのために地質学や生態の進化などの勉強も必要です。以前は、生物の進化の歴史は再現できない、だから系統はわかりにくいと思われていました。しかし、今ではDNAの配列で推測することができます。また、地質学と組み合わせ考えていくと、日本にしかない植物や例えば日本とアメリカに共通する植物がどうやってできたのか、どうしてこの分布なのかがわかってくるんです。個人的には地球規模のロマンチックな研究をやっていると思っています。
◆:研究のためにボルネオ島に行かれたそうですね。
副島:はい。ムラサキシキブという植物の研究で行きました。ボルネオ島には、花や実は日本のムラサキシキブとよく似ているのに、でも葉っぱの根元に袋があって、その中にアリが棲んでいる仲間があるんです。植物の中には、アリ植物というアリとの共生関係を持つものがあることが知られているんですが、このムラサキシキブの仲間もアリ植物なんです。これがどうやってできてきたのか、ということを考えるために、このアリ植物に一番近縁な植物を探しに行きました。その一番近縁な種類がアリとの関係性を持っているかどうかを知りたかったんですね。
◆:その後、何か収穫はありましたか?
副島:2011年にボルネオを初めて訪れたとき、葉に袋があるムラサキシキブ属のアリ植物を採集することが一番の目的だったのですが、このときに同じ地域にあったムラサキシキブの別の種類もみつけました。この種類では葉に袋はないのですが、枝が空洞になっていて中にアリが棲んでいました。このようなアリ植物は他の植物で知られていましたが、ムラサキシキブの仲間では初めてでした。この植物の発見によって、袋ができたことやアリとの共生が突然生まれたわけではないとわかったんです。さらにボルネオで調べていくと、また別のムラサキシキブの仲間では葉っぱに大きな腺点があって、そこから分泌される蜜にアリが集まっているのをみつけることができました。アリとの共生は段階を踏んでできたものなんだ、と仮説が立ち、系統解析をしてみたところ、やはり特殊でないものが進化の前段階にあり、特殊なものが後から出てきたんです。仮説が立証できたとき、研究って面白いなと感じました。

好きなことをよく知りたいと思うと研究になる

◆:そもそも先生が植物を研究しようと思われたきっかけは何ですか?
副島:小さいころから植物が好きだったんです。小学5~6年生のころに、牧野富太郎という植物学者の本を読んだんです。その中に「自分は小さい時から植物が大好きで友達のように思っている。大好きな友達と仲良くなるためには、相手のことをよく知らなくてはならない。好きなことをよく知りたいと思うことが研究になる」というようなことが書いてあって、それに憧れたんです。
◆:そこで系統分類学を専門にされようと思われたのは、どうしてですか?
副島:大学時代の先生が「分類学は生態や系統、遺伝子のこと全てわからないとできない」とおっしゃられたことがありました。それは、好きなことを深く知ること、つまり研究対象にすることと通じるところがあると思って、系統分類学を専門にしようと思ったんです。
 私が学生の頃、研究するにはテーマ探しから自分でしなければならず、大変でした。先生曰く「どんな素材を選んでも研究テーマが出てくる」とおっしゃったのですが、最初は何をテーマにしたら研究になるのかもわかりませんでした。私は野菊について卒論を書いたのですが、まず野菊に関する資料を集め、何がわかっている/わかっていないをはっきりさせ、わかっていないことに関して他の植物と比較しながら研究テーマを探していきました。このとき、1つひとつ新しいことがわかる面白さを実感し、このまま研究を続けていこうと思えたんです。

まず、自分でモノを見て!

◆:最後に熊大生へ一言お願いします!
副島:自分でモノを見てください。最近の学生さんは図鑑ですらモノを調べない人が多いです。私の授業では花を探しながら大学構内を散策するという実習を行ってます。小一時間歩くだけで30種類くらいは花をつけている植物が見つかります。それまで見えてなかったものが見えるようになってくるんですね。私は野外学習を多く取り入れていますが、ぜひ自発的に行ってください。そして、わからないことがあったら持ってきてください。一緒に考えていきましょう!
 
 
(2017年2月9日掲載)
 
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